【報告】2023年10月30日「SUBURI STUDIO」開催致しました。

HOME ‣ PROJECT ‣ SUBURI STUDIO

正会員・サポーター会員

本日、2023年10月30日(月)21:00〜22:30、正会員・サポーター会員によるオンラインミーティング「SUBURI STUDIO(月1回開催)」を開催致しました。

今晩の参加者は4名。お知らせ(【告知】2023年10月「SUBURI STUDIO」のお知らせ)しておりましたように、前回から引き続き、べてるの家の理事長・向谷地生良氏の著書『技法以前〜べてるの家のつくりかた』を使っておしゃべりしていきました。今回でこの本は最後になりますが、トータルで様々な切り口があって、面白い本でした。少し古い本になりますが、今もアップデートし続けているべてるの家と向谷地生良先生の考え方は、今の僕たちの暮らしや環境について、別の視点を与えてくれるものでした。

今日の主なトピックは以下になります。

今回語られたトピック(ファシリテーター:赤石嘉寿貴)

・「松子系」など病気の受け止め方とそのセンスがすごい
・自分の病気に名前をつけることが当事者研究
・自分で名前をつけること、名付けられることの違い
・プライバシー保護って何を守るためにあるんだっけ?
・個人情報保護は他者が情報だけの存在になってしまう恐れがあるのではないか
・自分はあくまで支援するふりをしているだけなんじゃないかと思った
・宗教が職業になっているということで情報を開示するかしないかの間でジレンマが生まれている
・現実との生命的接触の回復とは「人と人とのつながりの回復」
・「わきまえる」という日本人らしさが抱える弊害
・場に対する信頼
・「仲間」は英語のできない
・お見舞いしてくれる人という仲間を処方
・鬼気迫るものではなく、どこかユーモラスで、命に対する信頼にもとづいたもの
・何を信じたら8年も待てるのか

今回で、『技法以前〜べてるの家のつくりかた』が終わり、次回からは新しい本を読んでいきます。詳しい日程に関しましては、決まりましたらウェブサイトにて告知いたします。
正会員・サポーター会員の方にご参加いただけます。お気軽にご参加ください。

技法以前〜べてるの家のつくりかた

技法以前〜べてるの家のつくりかた
著/向谷地 生良
発行/2009年11月

「幻覚&妄想大会」をはじめとする掟破りのイベントはどんな思考回路から生まれたのか? べてるの家のような場をつくるには、専門家はどう振る舞えばよいのか? 「当事者の時代」に専門家が〈できること〉と〈してはいけないこと〉を明らかにした、かつてない実践的「非」援助論。

【目次】
はじめに

第1章 形から入れ!
1 援助とは振る舞いである
2 「自分を助けること」を助ける

第2章 専門家に何ができるか
1 「当事者が主人公」の時代
2 「多材」と「多剤」の限界
3 二つの無力

第3章 信じるということ
1 根拠なく一方的に信じてしまう
2 私はなぜ信じることができるのか
3 突撃訪問と実験
4 心配も期待もしない信じ方
5 「現聴」にもがく当事者を信じる

第4章 「聴かない」ことの力
1 哲学とケア
2 話を聴いてくれない精神科医
3 「聴かない」という聴き方
4 開かれた聴き方へ
5 「一緒に考える」ということ

第5章 人と問題を分ける
1 生きる知恵としての「外在化」
2 軽くていい、軽いからいい
3 ナラティヴ・アプローチとの出会い

第6章 病識より問題意識
1 妄想は身体の知恵
2 困っていればOKだ

第7章 プライバシー、何が問題か
1 隠したいのは誰?
2 サトラレはサトラセたい
3 エンパワメントとしての「弱さの情報公開」

第8章 質より量の“非”援助論
1 キーワードは「仲間」
2 つながれるなら死んでもいい
3 援助における質と量
4 量的世界への媒介者

終章 「脳」から「農」へ

鼎談 リンゴのストレングスモデル
木村秋則(リンゴ農家)
川村敏明(浦河赤十字病院精神神経科部長)
向谷地生良

文献
あとがき

Support our projects

HOME ‣ PROJECT ‣ SUBURI STUDIO