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2022.6.12 更新

前田史子

わたしの名前は「前田史子=まえだ・ちかこ」といいます。小山田和正代表理事の前プロジェクト「tovo」では、「前田ふひと」の名前で参加していました。

歴史の「史」と書いて「ちか」と読むのは難読の類かと思うのですが、実のところは人名使用漢字として辞典にも読みが載っていまして、決していまでいう“キラピカ”したものではなかったのだと思うのです。それでも難読は難読です。いまだかつて、親族以外に、一発で名前を読んでもらえたことはありません。

名前に「史」の字を選んだのは父です。
辞書によると、「史」は「ふひと」と読み、語源は「『書人(ふみひと)』の音変化。『ふびと』とも」と記載されています。

意味は
1.古代朝廷の書記官。史生。
2.古代の姓(かばね)のひとつ。渡来系で朝廷の書記を世襲する氏に多い姓。
とあります。(広辞苑より)

父は中学校の社会科教師でした。わたしが生まれる少し前、世の中では父にとってとても衝撃的な事件や事故、そのほかいろいろニュースが相次いだそうなのです。そんなさなかに生まれた自分の第二子に、「世の動向を見つめ、歴史を心に刻んでほしい」と、“記録人”としての「史」の字を名づけに使った―と、わたしのファースト写真アルバムの見返りに、父の字で書いてあります。と言っても、父は生まれたばかりのわたしに大層なことを期待したわけではなかったと思います。名づけは名づけですからね。親の想い。

しかしながら、わたしは不思議なことに、幼少のころから文字と戯れることが好きでした。歳を重ねるごとに、自分の名前と自分の行動の連関性を意識するようになりました。小山田くんにtovoで青森県の100家族に取材するフリーペーパーの取材に誘われたとき、「ふひと」の名前で書きたいと思いました。その名の命に従うべきだと感じたのです。

個人としてはイチ会社員として平凡に生きておりますが、ちょっとしたことに「引っ掛かり」をおぼえ、“ひとりブレスト”にはまり込みがちな日々を送っています。きっかけはその日のニュースだったり、周囲との会話だったり、ふと見かけたものだったり。それやこれやの心の中のぐるぐるを、「ふひと」的に文字に起こしてみたいと思います。

あくまでわたしの個人的な引っ掛かりであり、“ひとりブレスト”ではありますが、もしかしたら、誰かも同じことに引っ掛かってるかもしれませんね。

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前田史子(まえだ・ちかこ)
五所川原市出身。高校卒業後、東京での学生生活を経て、就職で青森県に出戻り。現在は青森市在住で会社勤め。2012年に洗礼を受けクリスチャンとなる(プロテスタント)。「tovo」時代は「前田ふひと」の名で参加。